2009年8月20〜23日に、逗子マリーナにて開催された
「リビエラカップ2009/第27回東日本OP級ヨット選手権大会」の大会計測について報告します。
1.イヤーシリーズ
2009年度のイヤーシリーズ制度に対し、6艇の適用がありました。
2.参加艇数
97艇(従来艇 3艇、IOD95艇 94艇)
3.計測日程
8/20(木)13:30〜17:30に約40艇、8/21(金)7:00〜9:55 に約50艇の予約があり、
計測員はベテラン5名を配置、混雑の予想された21日朝は6:40から開始し、
最も混んだ時は2名×2班に分け、スタンプ担当1名としたため、予定より早く9時過ぎには終了した。
4.計測スタッフ
公式計測員:2名、 公式計測員候補者:1名
準計測員:2名、 計測補助員:1名
計測受付員:4名 計10名
5.計測場所
OP艇バースに受付テントを設置、計測場は露天、セール計測は舗装面に直接、電源は配電なし、の
悪条件で雨天ならばお手上げの状態だったが、幸い天候に恵まれ、また、電源はカーバッテリーから
インバーターでAC100Vを調達し、従来艇の重量計測の計量器に使用した。
6.計測トラブルの事例
a.基本計測(セール)
1.時間に余裕がある時に、選手父兄が自分で貼り替えたナンバー変更再計測
(本大会には使用しないセール)の依頼があったので、公式計測員への計測研修に
とっての好機ととらえ、承諾した。しかし貼替た番号のバランスが計測値を満たさずNGと
なったので、依頼主にそれを説明し、貼り直して後日に再計測をするように指示した。
2.ある選手がセール計測証明書の持参を忘れ、他に解決方法がなく、この場で証明書を
発行する事になったので、深沢さんと小屋さんを指導して基本計測を行った。
ワールドで荒川が何十枚ものセールを計測した経験が生きてスムーズに解説でき、
なお証明書用紙は新書式のものを使用したのでこれが新書式用紙による日本で最初の
計測証明書となった。
3.その他にもセールナンバーを変更して再計測を行っていないセール1枚を基本計測した。
b.基本計測(スプリット)
いつもよくあるスパーのシリアルoチ失装備品があり、スプリット1本を基本(再)計測した。
c.メジャーバンド(マスト)
マストでのセール位置を示す2本のバンドが不明瞭でルール不適合が数本あり、
いつもは出店にてシールを購入しているが、今回は不在だったので、ゴールドの
マジックペンで描く応急措置で対応した。
d.計測証明書の過失(セール)
本大会は簡易計測を採用しており、計測証明書が正しいとの前提で細部チェックを
省略しているが、ワールドでは必ずしも計測証明書が正しいとは限らない事例が多くあった。
JPN31800のセールは、一番混雑した時間帯に計測されパスしたが、レースが始まってから、
あちこちから「セールナンバーと国籍文字の色が統一されていないがルールでOKなのか?」と
質問された。原因は計測時でのセールをブームに巻いた状態から半分ほど広げたままで、
セールボタンとアウトホールロープ(1.2m)をチェックして、クリューにスタンピングをした為と
思われる。事後対策としては、簡易計測法の限界が問題点であり、既にレースは始まっているので、
レース委員会からの抗議は行わず、基本計測証を発行した計測員に注意(本人は当然ルールを
知っていたが、ついうっかりしたとの事)し、貼り付け作業をしたセールメーカーは貼り直しを行い、
JODA(計測員)は再計測料をいただかずに計測し、全日本までにこれを解決するとした。
7.新ルール(2009年版)の周知
「アウトホールロープが1.2m以内」をアピールするため、全艇をチェックしたが、全てOKだった。
8.海上計測
海上計測員を養成するため経験者と経験の浅い者をセットとして計測実務を行った。
特に、昨年ではRCからの抗議(またはPFP)の掲示(レース終了後1時間以内)方法に
不徹底があったので、より適切な手続き方法と共に、通告書も経験の為書いてもらった。
・20日の安全規定違反(PFP)
ダガーボードの流出防止コードの取付け不備が2艇。
・21日の安全規定違反(PFP)
ダガーボードの流出防止コードの取付け不備が2艇と、パドルの流出防止コードの取付け不備が1艇。
以上の「PFPに関する通告」を公式掲示し、成績作成担当者に得点加算を連絡した。
9.装備の交換または修理
交換:初日レース後に選手からバウロープを交換したと口頭報告を受けたので、事後ではあったがSIに
従い書面による承認手続きを指示した。破損のロープを見ると少し切れかけていたので、安全上交換
が必要と許可をして、交換したロープをメジャーで測り適正を確認した。
修理:2日目レース後、選手からバウトランザムに穴が空いたから修理をしたいとの申請があった。
聞くと、フィニッシュ後ハーバーに帰る途中、ポートスターボで衝突したらしい。
貫通した穴があったので許可した。大会後の本格修理の費用についてはレース後の事なので、
航路権についての責任を当事者同士で話し合い、費用負担を決め、もし話し合いが
つかない場合はレース委員会に相談するように伝えた。修理後のチェックでは、修理能力も
ないので応急的に銀テープで穴をカバーして波が入らないよう処理してあった。
これが精一杯の手当で明日の大会に臨みたいとの事。参考までに話し合いの結果を聞くと、
原因が衝突された側にあり、全額を穴を空けられた側の負担になったとの由だった。
・2件の書面は、処理後それぞれの艇の大会計測用紙にホッチキスで綴じ、
全レース終了後に選手へ返却した。
以上
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